ある講演会で田里先生のお話に感銘を受けて以来、私は鎌倉の先生のお宅に通うようになりました。三十年間にわたり、坐禅を通じて、人の道・経営の道のなんたるかを教えていただいたのです。
どんなに多忙でも必ず時間を作りました。いわゆる「無遅刻無欠席」です。最初のうちは、一緒に鎌倉の山や海岸を散歩するばかりでした。けれど、あとになって考えると、先生の何気ない一言やちょっとしたしぐさすべてに、禅があったのです。やがて、先生は一緒に坐ってくださるようになりました。
しばらくすると、私の鎌倉通いが周囲に知られるところとなりました。
「飯塚さん、毎月毎月、どこかに通って何かを勉強しているって本当ですか。何か、とてもいいものなのですか。いいものなら、私も連れて行ってくださいよ」
こう頼まれることが次第に増えていきました。
気づいた時には、田里先生の鎌倉の道場に入りきれないほどの人数が集まっていました。これが、経営禅研究会の母体となったのです。
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